東京もんじゃ焼事件事件 |
数年前のこと。 はまちと私は東京へ行った。 浅草寺ではまちは団子を食べて、私はフランクフルトを買った。 もんじゃ焼の店があった。 ちょうどお昼だ。 この店で昼食を取ることにした。 ところで、我々はもんじゃ焼きビギナーである。 耳にしたことはあるが、食べたことはない。 どうやって作るのかもよく分からない。 私は不安だったので、メニューを見直した。 お好み焼きもあるので、もんじゃ焼きをやめてこっちにすることにしたが、はまちは「名物だから食べる」ともんじゃ焼きにした。 もんじゃ焼きの素が入ったステンレスのカップが運ばれてきた。 具で土手を作る。 その中に液状の残りを入れる。 それくらいの知識は我々にもあった。 周囲の人は楽しそうに鉄板に広がったもんじゃ焼きを小さなこてでこそげるようにして食べている。 我々にもあんな瞬間が訪れるのだ。 二人でぺたぺたと円形に土手を作って、液を流し入れた。 「これで焼けるのを待つのか」 「いつ頃食べ頃になるんだろう」 我々の視線は鉄板の上の水溶き小麦粉の貯水池に注がれた。 すると、突然、土手が決壊した。 小麦粉の水はどろっと流れ出し、あれよあれよという間にカスを捨てるために鉄板の端に開いている穴に大部分が吸い込まれていった。 「うおお〜!!」 「うわああ〜!!」 叫ぶ我々。 しかし、英語で言えば「こぼれたチチを嘆いても無駄だ」。 日本語で言えば「覆水盆に返らず」である。 ショック。 もんじゃ焼きがこんなに危険な食べ物だったとは! 下手な作り方をすると1口も食べぬ間に消えてしまう食べ物だったのだ! その後、我々はお好み焼きにマヨネーズが付いていないのに気付いて、はまちが店員さんに「マヨネーズください」と声をかけたところ、それまで騒がしかった店内が水を打ったように静まりかえり、皆の視線が一斉に我々に注がれた。 もしや、いけないことでも口にしただろうか。 東京ではマヨネーズをお好み焼きにかけないのか? それとも、その店ではお好み焼きの味を楽しむためにマヨネーズを禁じていたのかもしれない。 何だか気まずく店を後にした我々であった。 食文化というのは地域によって様々であるとこのとき知ったのだった。 |
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