セントバーナードが少女を嫌う事件
これは高校時代の友人であるAMちゃん(女性、仮名)の体験談である。
彼女は幼い頃、北海道に住んでおり、彼女のおじいさんとおばあさんは牧場を営んでいた。
彼女はその牧場で牧歌的生活を送っていた。

彼女のお供はセントバーナードの子犬である。
どこへ行くにも彼女と子犬は一緒だった。
一人と一匹はとても仲良しだった。

冬のある日、たくさんの雪が降った。
AMちゃんが2階の窓を開けると、窓のすぐ下まで雪が迫っていた。
「これなら、ここから外へ出られそう」
AMちゃんはワクワクした。
傍らにいる子犬の目を見ると、子犬も「外へ出たい」と言いたそうだった。

「ずいぶん積もったわね」とお母さんも窓際にやってきた。
「お母さん、外に出たい」
AMちゃんが訴えると、お母さんは「まあ、待ちなさい。新雪だから、踏んで少しならして固めないといけないから」と部屋を出ようとした。

そのときである。


めしょ。
ズッボッボッボッボッボ……。

怪しい音がした。

AMちゃんはお母さんの話を十分に聞かずに窓の外へ足を踏み出したのだ。
脇に子犬を抱えて。
そして、新雪の中へ2メートルほど子犬とともに埋まっていった。

慌てたのはお母さんである。
スコップを片手にAMちゃんが埋まった辺りを掘りまくった!!
そして、
寒さで半分凍っているAMちゃんと目を回して挙動不審になっている犬を雪の中から掘りおこしたのである。
AMちゃんと子犬は熱い風呂に浸けられ、正気にもどったのだった。

以来、子犬は決してAMちゃんに近寄ることはなく、彼女が近づいていくと異常に警戒して吠えたて、撫でることもできないほどであった。
そして、子犬はAMちゃんを異常に嫌ったまま現在に至る。


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