家庭菜園事件 |
祖父(今もピンピンしているが、当時69歳)はある日、家庭菜園を作ることにしたようだ。 何故「ようだ」かというと、家族には一言の相談もなく自主的に何かをやらかして、それで疲れたり失敗したりすると、家族に当たり散らすというのが祖父の性格だから(本当に勝手なのだ)、今回も推測に過ぎなかった。 祖父がどれくらい勝手かというと、車でどこかに出かける場合、祖父は必ず助手席に乗り、ナビ役を買って出る(頼んでもいないのに)。 しかし、そのナビはことごとく間違った情報である。 しかも、その間違った情報通り(右折・左折・車線変更まで指示される)に車を走らせないと、祖父はギャアギャア喚いて怒り、血圧を200くらいに上げてしまう。 そして、目的地には全く着くことができない(当然だが)。 すると、祖父は全てドライバーのせいにして怒り狂う(誰がどう考えてもあんたのせいじゃろ)。 話を元に戻そう。 やはり作ろうといているのは菜園のようだ。 野菜の種を買ってきて、庭の一角をつるはしで掘り返し始めたからだ。 祖父は種をまく段階に入ったらしい。 農家から嫁いできた祖母(同じくピンピンしているが、当時67歳)は耕作や野菜にちょいと詳しい。 老婆心ながら祖父に「おじいさん、種はどうまくか知ってござんすで?」と尋ねたところ、祖父は茶々を入れられたと勘違いし、烈火のごとく怒りだした。 「ワシは種のまき方ぐらい心得ておるのじゃ!!」 祖父はそう言い捨てた。 こうなると意見も受け付けず、手がつけられないので、祖母は祖父に何のアドバイスも与えず放置することにした。 それがこの老夫婦のパターンである。 さて、数日後、まいた種はどうなったかと心配になって、祖母が菜園を見ると、そこには一カ所だけ異常にこんもりと山のように盛り上がって新芽が出ていた。 祖父は種を全部一カ所に埋めてしまったようだ。 祖母が「おじいさん、あんなまき方をしたんでは、野菜ができん」と注意すると、祖父曰く 「ワシは農業したことないのじゃ!! 種のまき方なんぞ、分からぬのじゃ!!」 じゃあ、素直にばあちゃんに聞いてくれよ、じいちゃん・・・・・・。 ちなみに、2年たった今、祖父の農業技術はやや進化しており、もう一カ所に種を全部埋めるということはしなくなった。 よかったよかった。 こんなじいちゃんですが、私は結構好きだ。 |
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