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読書感想文
福屋堂本舗
漫画
福屋堂本舗 作者:遊知やよみ
出版社:集英社マーガレットコミックス

京都東山の創業400年の和菓子屋福屋堂には雛、あられ、ハナの姉妹がいる。
この三姉妹を中心に物語が回る。
物語は長女雛とデパートの御曹司桧山の恋、次女あられと菓子職人健二の恋、三女ハナと初恋の人庵の恋という三部に分かれている。

雛は幼い頃から店を継ぐよう、母親から色々なものを押しつけられて育つ。
その結果、しっかり者に育つが、内側は脆い。
自分に比べて自由奔放なあられへの嫉妬、店や伝統を大事にするあまり、自分を押し殺して生きる苦しみを持っている。
銀行員で百貨店会長の孫である桧山はそんな雛にプロポーズして重くのしかかる店や伝統といったしがらみから解き放ってくれる。
しかし、桧山には以前に付き合っていた女性がいた。
その女性は桧山の父の愛人の娘。
やがて雛と桧山は結婚するが、雛は桧山を避け続け、ついには列車事故に巻き込まれ……。
家族がバラバラになった桧山家を結束させようと立ち回る雛はなかなかしたたかでいじらしい。

あられはガキ大将で元気いっぱいに育つ。
酒にギャンブルに金をつぎ込み、ぶらぶらとその日暮らしをしている。
当然母親からの覚えはめでたくない。
しかし、店を大事にする気持ちは人一倍強く、店を任される雛をうらやましく思っている。
雛が桧山との結婚で家を出たため、店を継ぐことになる。
店で働く菓子職人の健二には密かに思いを寄せているのにけんかばかり。
健二は三姉妹の母親からあられとの結婚を勧められるが……。
あられは元気でおおざっぱに見えるが、繊細だ。
そして、雛を大事に思う気持ちも強い。

ハナは末っ子。
母親や2人の姉、職人からもかわいがられて育つ。
シビアな雛にくっつくよりはあられの子分の方が向いているようだ。
物語はハナのモノローグで進められていく。
ハナは健二を兄のように慕っている。
あられとの結婚を健二が承諾したときには「本当のお兄さんだ!」と狂喜乱舞する。
初恋の人庵が遠くへ引っ越してしまい、悲しみに暮れるが、数年後に再会。
しかし、ハナには家族ぐるみで付き合っている恋人がいた。
庵はそんなハナを意図的に避ける。
ハナの気持ちは庵へと傾いていく。
ハナは冷静に物事を見ることができる子で、家族の行く末をじっと見守っている。

三姉妹の性格が出ていて、それぞれの絡みが楽しい。
桧山と仲直りした後の雛の性格が楽しすぎる。
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