エッセイ | |
アガサ・クリスティー自伝 アガサ・クリスティーと言えばポワロ。 映画版よりBBC製作のドラマの方がポワロのキャラが合ってると思う。 |
作者:アガサ・クリスティー 出版社:ハヤカワ文庫 クリスティーは意外とおてんばな少女時代を過ごしたようだ。 大人に叱られそうになるまで延々海で泳ぎ回ったり、テラスの欄干の上を歩き回って大人を冷や冷やさせたり……。 肖像画や写真などを見ると、おしとやかそうな女性に見えるが、実は活動的。 その様子にはハラハラ、ドキドキさせられてしまう。 一方で、想像力も並々ならぬものがあり、想像の中で「子猫ちゃんたち」と遊ぶこともあったし、お話好きで母親やばあやからおもしろおかしい話を聞くのを楽しみにしていた。 そして、男性に魅力を感じるのは「足」だとも。 『パディントン発4時50分』で「空軍出身の男性は地に足がついていない」という旨の記述があるが、前夫のアーチボルド・クリスティー氏を揶揄しているのだろうか? クリスティーが失踪した有名な事件は、ここでは「一般に知れ渡るような事件があって、そのためにたいへんいやな思いをしている」程度にしか語られないが、それこそは彼女の心の中だけに秘めておきたいものだろう。 彼女の失踪事件は、推測をもって『アガサ愛の失踪事件』として映画化されている。 夫の愛人に対するアガサの狂おしいまでの嫉妬、苦しみ。 ダスティン・ホフマンが記者として彼女の動向を探るという映画だったが、ホフマンとアガサ役の女性がダンスをする姿が美しい。 クリスティーは姉と探偵小説が書けるかどうかを議論したこともあり、そのころから色々構想を練っていたのかもしれない。 薬剤師としての知識も役に立ったようだ。 再婚相手のマローワン氏からプロポーズされて、年の差などから、さんざん悩んだことも書かれている。 娘に意見を求めたり、周囲の人々に反対されたり。 結局、再婚を決め、中近東でも生活を送り、そこでの友人たちをこよなく愛する。 結びの言葉を見ると、彼女が素晴らしく満足した生活を送ってきたのだろうなと微笑ましくなる。 |
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